従来民間金融機関の休眠口座の取り扱いは、最終的には各金融機関の雑収入に計上するにしても、正当な預金者の払い出し手続きによっては「半永久的に」応じるという「常識的」な運用がとられている。
また、将来的に払い戻し義務を留保しているのだから、財務諸表への注記事項ともなろうし、逆に雑収入の計上を怠るならば課税逃れとして追及される事案でもある。雑収入計上を以って銀行が預金者の財産を収奪したかのような論調がいかにミスリーディングであるかは明らかであろう。
しかし一方、1995年の(旧)郵便貯金法改正により休眠した郵便貯金の消滅時効があしかけ20年とされて、郵便貯金においては毎年国庫へ没収されてきた。負債たる預金の減少と資産たる現金の減少の形の預金者の財産の収奪は、負債の当事者が国家とするがゆえに許容が強要されるとしても私人、法人間では紛争の種である。
しかも2007年の郵政民営化に伴い新しい「ゆうちょ銀行」は郵政民営化法の下、金融庁の管轄のもとに服し、当然郵便貯金法の規定から解放されたのであるが、「日本郵政公社が解散時点で保有していた郵便貯金契約および簡易生命保険契約を継承し、管理する」独立行政法人が2007年10月1日に設立され、2027年12月28日まで民営化前の一部契約を継承し管理を終了するとされた。(ウィキペディアより。以下資料的には同様)
ここに2027年まで20年と2か月の期間を置いている理由が郵便貯金法に規定された休眠口座の消滅時効にある事がわかる。「2008年9月末時点で満期を迎え、払い戻しのされていない」この郵便貯金・簡易生命保険管理機構が「管理する通常貯金残高は6兆4,880億円...2009年3月末時点では5兆8,145億円」と言われる。
報道によれば2010年度に国庫に入った郵貯の休眠預金は234億円とされるが、この6兆円に近い金額のほとんどが国庫に没収されるのは間違いないであろう。
休眠預金の消滅時効による没収は完全な外部流出であり預金者の権利は侵害されている。預金という形態のサービスは銀行口座への預託であり、通常の商品売買で留保される権利とは異なった属性を持つと考えられ、それが消滅は口座提供者の慎重な管理運営のアフターフォローの経緯を要するべきものだ。
しかしまた、預かりっぱなしの状態は資金受け入れの利便性を片務的に享受するのであるから、一定期間経過後の利益の認識と支払い義務を留保した内部留保の担保は決して不当なものではなく、あたかも不当利得を認識して課税所得とされる扱いは金融機関としての責務ですらあろう。
そこで他方報道によれば、民営化後のゆうちょ銀行における休眠口座の扱いは5年をめどに利益認識をして、全国銀行協会のガイドラインに倣って期限を定めずに払い出しに応じる運用に本来ならばなるはずであった。2007年10月の設立からすれば2012年10月にゆうちょ銀行初めての休眠口座が誕生する予定であった。
そこに「郵政改革」の名のもとに郵政を普通の会社にする(民営化)のを阻み、金融庁による管轄から日本郵政を外し特殊会社化する企ての一環として休眠口座のタイムリミットも俎上に乗っているのである。そこには善管義務やマイナンバー導入の網から逃れる工作、タックスヘイブンとしての存在価値の維持主張が垣間見えもする。
しかし、特殊会社の天下り機関による官僚差配で日本郵政を政府の成長戦略の財務基盤としようとする



by makoto900
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